パートのいいところご紹介します
景気が回復している。
二OO三年春から株価が四O%以上も上昇し、銀行の不良債権処理も加速している。
デジタル家電は空前のブームを享受し、中国経済の高度成長の影響で、鉄鋼や基礎資材の市況が著しく回復している。
デフレは依然として進行中であり、全国各地の地方では、経済が沈滞しているところが多い。
自己改革や業容転換ができない多くの企業は赤字を脱却できず、困難な状況に陥っている。
経済の構造転換が進む中、就業構造も大きな転換を迫られている。
農林水産業は労働力が高齢化し、産業そのものも衰退している。
建設業は公共工事の削減もあって雇用は減少せざるを得ない。
製造業の生産拠点の海外移転は依然として進展しており、雇用吸収力は低下し続けている。
政府部門は「小さい政府」や民営化の基本方針の下で縮小せざるを得ない。
これらの部門では数年間に数百万人の規模で雇用機会が減少しつつある。
経済が健全なバランスを維持し、完全雇用を達成していくためには、従って、これから需要の伸びそうな分野で積極的に産業を創出し、雇用機会をつくり出していく必要がある。
日本のような成熟化しつつある先進国では、様々なサービスへの需要が広がりつつあり、サービス産業はこれからの大きな成長分野である。
とりわけ生活者のためのサービスはこれからますます発展する可能性があるし、人々の生活の質の向上のためにますます重要な役割が期待される分野である。
政府はこうした現実と政策的な意義を踏まえて、二OO一年五月に「サービス部門における雇用拡大を戦略とする経済活性化に関する経済財政諮問会議専門調査会報告」を発表し、抜本的かつ徹底的な規制改革を進めて、生活サービスの広範な領域で、民間企業や事業者が創意工夫に満ちた多様なサービスを提供できるようにすれば、今後五年間ほどで五三O万人くらいの雇用機会をサービス産業部門で新たに創出できる可能性があるとした。
小泉政権の構造改革は痛みを伴う改革の面だけがメディアなどでもっぱら喧伝されるが、小泉首相をはじめとする政策当局は、国民が求めている様々な生活者へのサービスを民間企業や事業者がきめ細かく潤沢に提供できるようにするいわば「明るい構造改革」によって、サービス産業の発展を促し雇用機会の増大につなげる、いうなれば「需要創出型構造改革」あるいはそれは個人・家庭向けサービス、企業・自治体などの団体向けサービス、社会人向け教育サービス、中古住宅関連サービス、子育て支援サービス、高齢者ケアサービス、医療サービス、リ−ガルサービス、環境サービスなど広範な分野で、具体的に生活サービスを創出し、雇用機会を開拓するものである。
そうした政策努力の成果もあって、これらの分野ではその後二年間に、約二OO万人の一用が創出されたと推計される。
政府は今般、経済社会の構造転換をさらに促進し、これらの分野での雇用機会の創出をさらに加速するために、二OO三年春、経済活性化戦略の一環として、上記の「五三O万人雇用創出構想」よりも一段と政策順位の高い「五三O万人雇用創出プログラム」を定め、政府の関係部門が責任を持って雇用創出のために尽力する体制を整えた。
この「プログラム」は、この種の政策の進め方としては、これまでにない画期的な内容を含んでいる。
ひとつは、それが政府の各部門横断的な取り組みになっているということである。
雇用創出など雇用に関する政策は、従来であれば厚生労働省の労働担当部局の専管事項として扱われることになるが、今回は、関係一一一府省庁の局長級幹部から成る促進チ−ムが編成されて政策策定が行われた。
いまひとつは、策定された「プログラム」は各部門に数値目標、達成目標期日、担当官までが明記された形で閣議決定されたということである。
この「プログラム」は、二OO三年一一月の衆議院選挙の際に発表された政府与党自由民主党の「重点政策項目」、いわゆる「マニフエスト」に記された一二の経済活性化戦略の第二番目に位置する最重要政策項目として国民に実現を約束する形で提示された。
国民への公約という意味でも重要だが、その内容が、広範に極めて具体的に、国民の生活の多くの領域に直結しており、様々なサービス事業分野にかかわっているので、多くの生活者や事業家にとって極めて身近で大切な情報であるはずである。
ニフエストにも掲げられているが、情報が多くの人々にとって極めて身近で重要であるにもかかわらず、多くの人々にとって入手しやすく分かりゃすい形では提供されていない。
そこで、この大切な情報をできるだけ多くの人々が入手しやすく理解しやすい形で提供するために、二OO三年春以来の株価の上昇が景気回復を象徴している。
日経平均では、七000円台の底値から一万一000円台まで四割以上も上昇した。
株価の上昇を主導したのは、外国人投資家の積極的な買いである。
イラク戦争の第一期が終わり、世界の投資活動が活発化する中で、過少評価されていた日本株に世界の資金が流れ込んだ形だ。
めざましい株価の上昇がこうした外国発の要因でもたらされたことは否めないが、もしそれ17だけの原因であれば株価の上昇は一過性で終わった可能性もある。
上昇した株価の水準はその後も維持されている。
それを日本国内で支える要因があるからだ。
株価は企業利益の先行指標と言われる。
半年ないし八カ月くらい先の利益動向を織り込むとされる。
一万一000円台の株価が維持されているということは、従って、現在の景気回復傾向は半年以上続くと市場が読み込んでいるということになる。
景気回復で潤う部門と取り残された部門こうした景気回復は、日本経済全体に及んでいるわけではない。
景気回復で潤っているのは、株価上昇の影響を直接受ける証券業界、銀行などの金融業界、デジタル家電や輸出の伸びている製造業などの分野だが、それ以外の多くの産業セクターや地方経済、中小企業分野などには景気回復は必ずしも及んでいない。
証券業界は株取引の増大によって手数料収入も増えるし、銀行などの金融産業は株価の上昇によって不良債権の処理がしやすくなる。
デジタル家電は携帯電話からデジカメ、大画面の液晶テレビと、連鎖的に新商品の開発が進み、家電商品の草命的な世代交代が展開している。
持続する高度成長を背景に、中国市場が、これまでのように低価格製品の対日輸出基地としての脅威ではなく、むしろ日本製品を吸収する大きな輸入市場として拡大を始めたこといまこそ需要創出型の構造改革をも、明るい要因になっている。
こうした景気回復の影響は金融や製造業の大企業部門を中心としており、東京や一部の大都市に集中している。
これとは対照的に、多くのサービス産業部門や伝統的な製造業、中小企業、地方経済などには、景気回復のインパクトはまだ及んでいない。
とりわけ地方経済は、これまで、地方政府への交付金や補助金、公共投資などによって経済活動が維持されてきた面が大きかっただけに、財政難の下で補助金や公共投資が削られ、グローバル化の下で工場の海外移転などが続き、深刻な景気低迷から脱却できないところが多い。
現在の景気は、このように、産業部門的にみても、地域的にみても大きな格差ないし温度差を内包しながら披行的に進んでいる。
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